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論文

Magnetic boson peak in classical spin glasses

古府 麻衣子; 河村 聖子; 村井 直樹; 石井 梨恵子*; 平井 大悟郎*; 有馬 寛*; 舟越 賢一*

Physical Review Research (Internet), 6(1), p.013006_1 - 013006_9, 2024/01

We revisited spin dynamics in archetypical classical spin glass systems, such as Cu$$_{1-x}$$Mn$$_{x}$$ ($$x = 0.017$$, 0.034, and 0.067) dilute alloys and iron aluminosilicate glass using a modern neutron scattering spectrometer with high neutron flux. The former is crystalline, and the latter is amorphous, where their spin glass state is well separated from magnetically ordered phases. Bose-scaled localized magnetic excitations were observed in both compounds below the spin-freezing temperature ($$T_{rm f}$$). The spectrum exhibits a maximum at low energy and a broad tail on the high-energy side. The excitation energy tends to be higher for the material with a higher $$T_{rm f}$$. Above the $$T_{rm f}$$, the spectrum considerably changes with temperature, thereby indicating the emergence of the magnetic relaxation process. The magnetic excitation in the spin glass state has much in common with the boson peak in structural glasses. We consider that the Bose-scaled broad excitation peak is an elementary excitation inherent in disordered systems.

論文

Spin glass behavior and magnetic boson peak in a structural glass of a magnetic ionic liquid

古府 麻衣子; 綿貫 竜太*; 榊原 俊郎*; 河村 聖子; 中島 健次; 松浦 直人*; 上木 岳士*; 阿久津 和宏*; 山室 修*

Scientific Reports (Internet), 11(1), p.12098_1 - 12098_8, 2021/06

 被引用回数:5 パーセンタイル:56.02(Multidisciplinary Sciences)

Glassy magnetic behavior has been observed in a wide range of crystalline magnetic materials called spin glass. Here, we report spin glass behavior in a structural glass of a magnetic ionic liquid, C4mimFeCl$$_{4}$$. Magnetization measurements demonstrate that an antiferromagnetic ordering occurs at $$T_{rm N}$$ = 2.3 K in the crystalline state, while a spin glass transition occurs at $$T_{rm SG}$$ = 0.4 K in the structural glass state. In addition, localized magnetic excitations were found in the spin glass state by inelastic neutron scattering, in contrast to spin-wave excitations in the ordered phase of the crystalline sample. The localized excitation was scaled by the Bose population factor below $$T_{rm SG}$$ and gradually disappeared above $$T_{rm SG}$$. This feature is highly reminiscent of boson peaks commonly observed in structural glasses. We suggest the "magnetic" boson peak to be one of the inherent dynamics of a spin glass state.

論文

Scaling of memories and crossover in glassy magnets

Samarakoon, A. M.*; 高橋 満*; Zhang, D.*; Yang, J.*; 片山 尚幸*; Sinclair, R.*; Zhou, H. D.*; Diallo, S. O.*; Ehlers, G.*; Tennant, D. A.*; et al.

Scientific Reports (Internet), 7(1), p.12053_1 - 12053_8, 2017/09

AA2017-0448.pdf:3.45MB

 被引用回数:7 パーセンタイル:50.08(Multidisciplinary Sciences)

Glassiness is ubiquitous and diverse in characteristics in nature. Understanding their differences and classification remains a major scientific challenge. Here, we show that scaling of magnetic memories with time can be used to classify magnetic glassy materials into two distinct classes. The systems studied are high temperature superconductor-related materials, spin-orbit Mott insulators, frustrated magnets, and dilute magnetic alloys. Our bulk magnetization measurements reveal that most densely populated magnets exhibit similar memory behavior characterized by a relaxation exponent of $$1-n$$ $$approx$$ $$0.6$$(1). This exponent is different from $$1-n$$ $$approx$$ $$1/3$$ of dilute magnetic alloys that was ascribed to their hierarchical and fractal energy landscape, and is also different from $$1-n=1$$ of the conventional Debye relaxation expected for a spin solid, a state with long range order.

論文

Structure, magnetism and transport of the perovskite manganites $$Ln$$$$_{0.5}$$Ca$$_{0.5}$$MnO$$_{3}$$ ($$Ln$$=Ho, Er, Tm, Yb and Lu)

吉井 賢資; 阿部 英樹*; 池田 直*

Journal of Solid State Chemistry, 178(12), p.3615 - 3623, 2005/12

 被引用回数:25 パーセンタイル:67.33(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

小さい希土類イオンを含むペロブスカイトマンガン酸化物$$Ln$$$$_{0.5}$$Ca$$_{0.5}$$MnO$$_{3}$$($$Ln$$=Ho, Er, Tm, Yb and Lu)が斜方晶構造を取ることを見いだした。電気抵抗測定から、これらの酸化物が絶縁性であり、小さな磁気抵抗効果しか示さないことがわかった。磁化測定からは、マンガン電子の電荷秩序温度・反強磁性転移温度・グラス状態転移温度の3つが存在することがわかった。これらの物性について、結晶構造などと関連付けて議論する。

論文

Frozen quasi-long-range order in the random anisotropy Heisenberg magnet

板倉 充洋

Physical Review B, 68(10), p.100405_1 - 100405_4, 2003/09

 被引用回数:35 パーセンタイル:79.9(Materials Science, Multidisciplinary)

中性子照射した超伝導体において、最近になって低温で冪的秩序を持ったブラッググラス相と呼ばれる相が発見され、ランダム系における新しい秩序状態として注目を集めている。本発表ではこれに類似の現象を示すより単純なモデルである、ランダム異方性を持った磁性体について大規模なシミュレーションを行った。従来の計算は近似的なモデルに限られていたが、本研究ではモデルの大規模な直接計算を行い、理論で予測されていた冪的秩序を確認し、グラス的秩序もあることを初めて指摘した。

論文

Doping effects of Ru in ${it L}$$$_{0.5}$$Sr$$_{0.5}$$CoO$$_{3}$$ (${it L}$=La, Pr, Nd, Sm, and Eu)

吉井 賢資; 阿部 英樹*

Physical Review B, 67(9), p.094408_1 - 094408_8, 2003/03

 被引用回数:40 パーセンタイル:82.47(Materials Science, Multidisciplinary)

${it L}$$$_{0.5}$$Sr$$_{0.5}$$Co$$_{1-x}$$Ru$$_{x}$$O$$_{3}$$(${it L}$=La, Pr, Nd, Sm, 及び Eu)の構造・磁性・電気伝導について調べた。結晶構造はほとんどの物質で斜方晶ペロブスカイト構造Pnmaであった。Ruをドープしていない酸化物(x=0)はキュリー温度が250から140Kの強磁性金属であるが、Ruをドープすることによって強磁性が抑えられるとともに金属性が消失し絶縁体になることがわかった。逆帯磁率データからは、Ruドープにより磁気相互作用が反強磁性的になることが見出された。また、${it L}$$$_{0.5}$$Sr$$_{0.5}$$Co$$_{0.8}$$Ru$$_{0.2}$$O$$_{3}$$(${it L}$=Sm 及びEu)では、50-60Kにスピングラス的挙動が見られた。磁性におけるこの変化をRuドープによるCoのスピン状態などと関連付けて説明した。

論文

Magnetic behavior of CeTi$$_{1-x}$$V$$_{x}$$O$$_{3}$$

吉井 賢資; 阿部 英樹*

Journal of Alloys and Compounds, 343(1-2), p.199 - 203, 2002/09

 被引用回数:7 パーセンタイル:47.03(Chemistry, Physical)

ペロブスカイトCeTi$$_{1-x}$$V$$_{x}$$O$$_{3}$$の構造と磁性について調べた(0$$leq$$x$$leq$$1)。x=0及びx=1の系は、いずれも斜方晶Pnma構造を有し、Ti及びVスピンが反強磁性転移を起こすことが知られている。本系の結晶構造は0$$leq$$x$$leq$$1の範囲で斜方晶Pnmaであった。また、磁化測定から、磁化及び磁気転移温度ともにx=0.5付近で最小となることがわかった。これら混晶試料に対するAC帯磁率測定から、低温において、スピングラスあるいはクラスターガラスといったランダム状態が発生していることがわかった。これは既報の類似系LaV$$_{1-x}$$Mn$$_{x}$$O$$_{3}$$での結果と本質的に同じである。

論文

Electronic phase separation in lightly doped La$$_{2-x}$$Sr$$_{x}$$CuO$$_{4}$$

松田 雅昌; 藤田 全基*; 山田 和芳*; Birgeneau, R. J.*; 遠藤 康夫*; 白根 元*

Physical Review B, 65(13), p.134515_1 - 134515_6, 2002/04

 被引用回数:140 パーセンタイル:96.62(Materials Science, Multidisciplinary)

La$$_{2-x}$$Sr$$_{x}$$CuO$$_{4}$$低ホール濃度領域(0.02$$<$$x$$<$$0.055)における磁性を調べるために詳細な中性子散乱実験が行われてきた。その結果、この絶縁スピングラス領域において非整合磁気ピークの現れる位置が超伝導相(水平ストライプ構造)で観測される位置と比べて($$pi$$,$$pi$$)を中心に45度回転しており、斜めストライプ構造を反映していることが明らかになった。次のステップとして、われわれは、さらに低ホール濃度領域(0$$<$$x$$<$$0.02)における磁気相関を調べるために中性子散乱実験を行った。このホール濃度領域では、室温から温度を下げていくとまず反強磁性磁気秩序が起こる。さらに温度を下げていくと30K付近で磁気秩序領域の一部が斜めストライプ相関を持つクラスタースピングラス相に置き換わることが明らかになった。非整合度$$varepsilon$$の値からスピングラス領域のホール濃度を見積もると0$$<$$x$$<$$0.02の領域でほぼ2%であった。また、散乱強度からスピングラス領域の大きさ(体積分率)を見積もるとxが0から0.02に増加する際に体積分率が0から1にほぼ比例して変化することがわかった。これらの結果を総合して考えると、La$$_{2-x}$$Sr$$_{x}$$CuO$$_{4}$$(0$$<$$x$$<$$0.02)では30K以下でホール濃度が~0%の領域と~2%の領域に相分離し、ホール濃度の増加とともに2%の領域が増大すると考えられる。

論文

Magnetic properties of CaRuO$$_{3}$$

吉井 賢資; 阿部 英樹*

Physica B; Condensed Matter, 312-313(1-4), p.791 - 792, 2002/03

 被引用回数:6 パーセンタイル:34.98(Physics, Condensed Matter)

CaRuO$$_{3}$$の磁性を調べた。磁化の温度依存性には、85K近傍に磁気転移による屈曲点が見られた。6Kにおける磁化の緩和測定からは、磁化が時間の対数に比例して変化する現象が見られた。これは過去の文献に示唆されたスピングラスの存在と一致する。しかし、交流磁化測定では、スピングラスに見られるような帯磁率ピークは見られず、今後、単結晶による磁気構造の測定などが必要と考えられる。

論文

Phase diagram of the three-dimensional Gaussian random field ising model; A Monte Carlo renormalization-group study

板倉 充洋

Physical Review B, 64(1), p.01245_1 - 01245_3, 2001/07

不純物を多く含むランダム磁性体は実験,理論の両方においてその性質が注目されている。不純物の効果は理論的に扱うのが困難であり、数値計算が有望な研究手段として期待されている。本研究では直接的な大規模計算によりランダム磁性体の一種であるランダム磁場イジングモデルについて研究を行い、その性質を研究した。本研究では、従来のアルゴリズムの10倍の速度で計算できるレプリカ交換法を用い、大規模な並列計算によるモンテカルロシミュレーションを行い、その結果を繰り込み理論の枠組みで解析することにより相転移の性質及びレプリカ対称性の破れの有無について研究した。その結果この系の相転移は絶対零度の相転移点がすべての転移をコントロールしていることが判明した。さらに繰り込みの流れを調べることによりレプリカ対称性の破れが起こる場合にその由来を説明する一つのシナリオを提示した。

論文

Magnetic and structural properties of Pr$$_{1-x}$$A$$_{x}$$CoO$$_{3}$$(A=Sr and Ba)

吉井 賢資; 筒井 智嗣; 中村 彰夫

Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 226-230(Part.1), p.829 - 830, 2001/05

ペロブスカイトコバルト酸化物Pr$$_{1-x}$$A$$_{x}$$CoO$$_{3}$$(x$$leq$$0.5, A=Sr and Ba)に付き、その構造及び磁性について調べた。(1)結晶構造は斜方晶Pnmaである。A=Srでは、格子定数はxに対して単調増加するが、A=Baではb軸長のみx=0.4で最大となる。(2)x=0では、磁気秩序は観測されない。xを増加するとともに、x$$>$$0.2で明瞭な強磁性転移が観測される。A=Srでは、キュリー温度はxの増加とともに240Kまで単調増加する。一方、A=Baではx=0.3-0.4で最大190Kとなる。(3)低温での磁気緩和及び交流帯磁率測定から、観測された強磁性転移にはスピングラスなどのランダム状態が共存する。上記(2)キュリー温度の挙動の違いについては、(1)の結晶構造の結果をもとに、交換相互作用の変化と関連し解釈した。また(3)は類似系La$$_{1-x}$$Sr$$_{x}$$CoO$$_{3}$$の結果と定性的に同様である。

論文

SANS study of slow dynamics in concetrated spin glasses

元屋 清一郎*; 日置 敬子*; 鈴木 淳市

Journal of the Physical Society of Japan, 70(Suppl.A), p.139 - 141, 2001/05

濃厚スピングラスFe$$_{65}$$(Ni$$_{0.866}$$Mn$$_{0.134}$$)$$_{35}$$の長時間緩和現象を時間発展小角散乱法により解析した。20時間に及ぶ緩和過程の解析より、以下の点が明らかとなった。高温強磁性相より低温スピングラス相に試料を急冷すると長距離磁気秩序は消失する。しかし、時間の経過とともに5nm程度の短距離秩序を持つ領域の割合が発達して行く。この結果は、スピングラスの長時間緩和現象は、数nmの磁気クラスターの成長に支配されることを示唆する。

論文

Magnetism and transport of Ln$$_{0.5}$$Sr$$_{0.5}$$Fe$$_{0.5}$$Co$$_{0.5}$$O$$_{3}$$(Ln=La and Pr)

吉井 賢資; 阿部 英樹*

Transactions of the Materials Research Society of Japan, 26(1), p.75 - 78, 2001/03

ペロブスカイト型コバルト酸化物LnCoO$$_{3}$$(Ln: 希土類)は、磁気秩序を示さない絶縁体である。ところが、本系にSrを置換したLn$$_{1-x}$$Sr$$_{x}$$CoO$$_{3}$$は、xが約0.2-0.3以上の領域で強磁性体となる。この系は磁性・伝導とも特異な挙動を示すことが知られており、近年盛んに研究されている。本研究では、この系のCoサイトを鉄で置換したLn$$_{0.5}$$Sr$$_{0.5}$$Fe$$_{0.5}$$Co$$_{0.5}$$O$$_{3}$$(Ln=La及びPr)の構造・磁性・伝導を調べた。結晶構造はLn=Laが菱面体晶、また、Ln=Prが斜方晶ペロブスカイト型であった。直流磁化測定からは、65-75Kに磁気転移が見られた。この転移は、外部磁場を大きくするとともにブロードとなった。交流磁化率からは、磁気転移温度近傍に磁化率ピークが観測された。このピーク温度は交流磁場周波数の変化とともに変動することから、この磁気転移はスピングラス起源と考えられる。電気伝導データからは、両系とも、室温以下で絶縁体的であった。抵抗率の対数が温度の-1/4乗に比例する温度領域が観測された。これは、Fe置換によるランダムネス由来のホッピング伝導の寄与と推測される。

論文

Magnetic properties of LnTi$$_{0.5}$$V$$_{0.5}$$O$$_{3}$$(Ln=Ce and Pr)

吉井 賢資; 阿部 英樹*

Journal of Solid State Chemistry, 156(2), p.452 - 457, 2001/02

 被引用回数:2 パーセンタイル:9.42(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

ペロブスカイト型チタン及びバナジウム酸化物、LnTiO$$_{3}$$及びLnVO$$_{3}$$(Ln: LaからSmの希土類)は、ネール温度50Kから150Kを示す絶縁体である。本系に関する磁気データはこれまで数多く発表されている。本研究では、これら酸化物間の混晶LnTi$$_{0.5}$$V$$_{0.5}$$O$$_{3}$$(Ln=Ce及びPr)について、構造と磁性を調べた。粉末X線測定から、これらの結晶構造は、end compounds (LnTiO$$_{3}$$及びLnVO$$_{3}$$)と同じく斜方晶ペロブスカイト型(空間群Pnma)である。求められた格子定数の値から、試料は実際にLnTiO$$_{3}$$及びLnVO$$_{3}$$の混晶であると判断した。混晶生成は、LnTi$$_{1-x}$$V$$_{x}$$O$$_{3}$$において、xを0.5以外にしたとき、格子定数が連続的に変化することからも確認した。直流磁化測定から、CeTi$$_{0.5}$$V$$_{0.5}$$O$$_{3}$$及びPrTi$$_{0.5}$$V$$_{0.5}$$O$$_{3}$$の磁気転移は、ともに約50Kで起こることがわかった。これは、LnTiO$$_{3}$$及びLnVO$$_{3}$$の転移温度120-150Kに比べると明らかに低い。この転移は、外部磁場を大きくするとともに不明瞭となった。交流磁化率測定からは、磁気転移温度近傍に磁化率ピークが観測された。このピーク温度は交流磁場周波数の変化とともに変動することから、この磁気転移はスピングラス起源と判断した。

論文

Magnetic properties of Ce$$_{1-x}$$Nd$$_{x}$$TiO$$_{3}$$ and some solid solution orthotitanates Ln$$_{1-x}$$Ln$$_{x}$$'TiO$$_{3}$$(Ln and Ln'=La to Sm; 0$$leq$$x$$leq$$1)

吉井 賢資; 中村 彰夫; 阿部 英樹*; 森井 幸生

Journal of Solid State Chemistry, 153(1), p.145 - 151, 2000/08

 被引用回数:4 パーセンタイル:16.43(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

斜方晶構造を有するペロブスカイト混晶系Ce$$_{1-x}$$Nd$$_{x}$$TiO$$_{3}$$では、0.5$$leq$$x$$leq$$1の範囲内で、直流帯磁率-温度曲線の20-60Kに帯磁率ピークが観測される。この現象に関し、電気抵抗、交流帯磁率及び中性子散乱によって調べたところ、以下の結果を得た。(1)電気抵抗は、ネール点(約100K)近傍で、その温度依存性が変化する。(2)低温4.5Kでの磁化は、対数依存性を持って緩和する。(3)帯磁率ピーク温度近傍で、非線形交流帯磁率が正に発散する。(4)中性子散乱から、ネール点以下の温度で時期ピークは存在しない。これらから、帯磁率ピークの出現は、スピングラスあるいはクラスターグラスといったランダム状態の生成によって磁化が減少したためと考えた。また、CeあるいはNdをほかの希土類イオンに置換したいくつかの類似系では、帯磁率ピークは観測されなかった。

論文

Magnetic behaviors of Pr$$_{1-x}$$Nd$$_{x}$$TiO$$_{3}$$(0$$leq$$x$$leq$$1)

吉井 賢資; 中村 彰夫; 阿部 英樹*

Journal of Alloys and Compounds, 307(1-2), p.25 - 30, 2000/07

 被引用回数:5 パーセンタイル:40.94(Chemistry, Physical)

斜方晶構造を有するペロブスカイトチタン酸化物混晶Pr$$_{1-x}$$Nd$$_{x}$$TiO$$_{3}$$の磁気的性質を調べ、以下のことを見いだした。(1)0.5$$<$$x$$<$$1の範囲で、直流帯磁率-温度曲線は、end compoundsには見られない帯磁率ピークを示す。(2)低温磁化の時間依存性から、スピングラスのような遅い緩和過程が存在する。(3)交流帯磁率測定から、磁気転移温度近傍で、帯磁率が正にピークを示す。(4)x$$leq$$0.25の試料の磁化-外部磁場曲線は、約70K以下で、15000-20000Oe近傍にスピンフロップ的挙動を起こす。(5)x$$leq$$0.125の試料の磁化-外部磁場曲線は、2Kのみで、複数磁場で磁化が不連続に飛ぶ。(1)の現象は、(2)(3)から、ピーク温度以下でのクラスターグラス状態の生成によると推測した。(4)については、それの観測されるのがPrモーメントの整列温度以下なので、Prモーメントのスピンフロップによると考えた。また、(5)は、粉末試料では観測されないので、ドメインの回転によると考えた。

論文

Magnetic and transport studies of LaFe$$_{1-x}$$Ni$$_{x}$$O$$_{3}$$

吉井 賢資; 阿部 英樹*; 正木 信行; 中村 彰夫

Proceedings of the 8th International Conference on Ferrites (ICF-8), p.278 - 280, 2000/00

ペロブスカイトLaFe$$_{1-x}$$Ni$$_{x}$$O$$_{3}$$における、磁性と伝導について調べた(x$$leq$$0.6)。LaFeO$$_{3}$$はネール点750Kの絶縁体、LaNiO$$_{3}$$はパウリ常磁性金属である。本系は、高温てせの電極材料への応用可能性から、500K以上の伝導特性が調べられた。その結果、x=0.6近傍で最大伝導率を示す金属的挙動が報告された。本研究では400K以下領域での特性を調べ、以下のことを見いだした。(1)メスバウア測定により、Feの価数は3+である。(2)x$$leq$$0.4及びx=0.6での結晶構造は、それぞれ、斜方晶及び菱面体ペロブスカイト構造である。x=0.5では、焼成温度によって構造が変化し、1300度以下及び以上では、それぞれ斜方晶及び菱面体構造である。(3)x$$leq$$0.4の領域でxを増やすとともに、ゼロ磁場冷却及び磁場冷却の帯磁率ともに小さくなる。また、両者の間の差も小さくなる。(4)x=0.5及び0.6では、80K以下でスピングラス的挙動が見られる。(5)x=0.4-0.6における電気抵抗測定から、室温以下では金属でなく、ホッピング伝導的挙動が観測された。(3)はFeイオン間の相互作用が減少したためであり、(4)(5)はFeイオンがNiによって薄められランダムネスが発生したためと考察した。

論文

Magnetic studies of La$$_{1-x}$$Sm$$_{x}$$TiO$$_{3}$$ and Ln$$_{1-x}$$Nd$$_{x}$$TiO$$_{3}$$ (Ln=Ce and Pr; 0≦x≦1)

吉井 賢資; 中村 彰夫

Physica B; Condensed Matter, 259-261, p.900 - 901, 1999/00

 被引用回数:3 パーセンタイル:22.84(Physics, Condensed Matter)

ペロブスカイト構造を有するチタン酸化物の混晶を作ることにより、以下のことを見いだした。(1)LaからSmまでの希土類について、Ln$$_{1-x}$$Ln$$_{x}$$'TiO$$_{3}$$(LnとLn'は希土類)は斜方晶ペロブスカイト構造をとる。(2)La$$_{1-x}$$Sm$$_{x}$$TiO$$_{3}$$とLn$$_{1-x}$$Nd$$_{x}$$TiO$$_{3}$$(Ln=CeとPr)のみで、混晶の帯磁率-温度曲線にピークが現れる。ピークの現れるxの値は前者では0≦x≦0.5、後者では0.5≦x≦1.0である。(3)ピーク温度近傍では磁化にヒステリシスが現れ、磁気秩序があることがわかったが、それ以下の温度では系は常磁性的となる。(4)低温で、磁化が時間の対数にしたがって変化する。(2)は、希土類イオンによって系の性質が大きく変わることを示し、また(4)は低温でのスピングラス相の生成を示唆する。

論文

Neutron powder diffraction study of intercalation compound Fe$$_{x}$$TiS$$_{2}$$

黒岩 芳弘*; 西村 正弘*; 野田 幸男*; 森井 幸生

Physica B; Condensed Matter, 213-214, p.396 - 398, 1995/00

 被引用回数:11 パーセンタイル:57.88(Physics, Condensed Matter)

鉄原子をインターカラントとする層間化合物Fe$$_{x}$$TiS$$_{2}$$は0$$<$$x$$<$$0.2でスピングラス相を、0.4$$<$$x$$<$$1で強磁性相をとる。クラスターガラス相と呼ばれる0.2$$<$$x$$<$$0.4の領域で鉄原子の配置を調べるために、中性子粉末回折実験を行った。その結果磁気秩序を示す回折ピークは観測できなかった。70Kでの結晶構造をリートベルト法で解析したところ、x~1/3でP31Cの空間群、z=6、a=5.9006$AA$、c=11.407$AA$であり、√3a$$times$$√3a$$times$$2cの超格子が形成されていることが判明した。一方x~1/4では、2a$$times$$2a$$times$$2cの超格子が形成されており、結晶構造はx~1/3のそれと違っていることを示している。

論文

Neutron powder diffraction study of Ni-LTA zeolite

大西 直之*; 堀川 泰愛*; 梶谷 剛*; 森井 幸生; 平賀 賢二*

Physica B; Condensed Matter, 213-214, p.408 - 410, 1995/00

 被引用回数:2 パーセンタイル:18.64(Physics, Condensed Matter)

Na-LTAゼオライト(Na$$_{12}$$Al$$_{12}$$Si$$_{12}$$O$$_{48}$$)のNaイオンをNiイオンで置換したNi-LTAゼオライトは20K以上で常磁性を示し、それ以下で強磁性をさらに10K以下ではスピングラス的なふるまいを示す。この物質の構造と磁性との関係を明らかにするために中性子粉末回折実験を室温と12Kで行った。既によく知られたミクロ孔(直径約10$AA)$を含んだ骨格構造について、リートベルト解析を行った結果Niイオン位置は(0.1,0.1,0.1)で、それは骨格構造中の六ヶのリングの中心にあたっていることが判明した。

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